新しい学校に赴任して、ちょうど1ヶ月。 タイの学校の洗礼というか、最近はとにかくイベント尽くしの日々を送っています。

先日は学校の設立記念日、そして生徒が先生に感謝を表す「ワイクルー」の式典がありました。会場を見渡すと、生徒も同僚の先生たちも、全員が美しい「白の正装」に身を包んでいます。 ……ただ一人、連絡ミスで「真っ黒な服」を着てきてしまった僕を除いては。 真っ白な空間で一人だけ浮き上がっている自分。恥ずかしさに身を縮めながらも、これもまた「タイあるある」なのだと苦笑いするしかありませんでした。

式典のおかげで今週は2日も午前中の授業がなくなり、「教科書、ちゃんと終わるかな……」と頭を抱えていますが、授業が始まれば一歩も引かない真剣勝負です。

この1ヶ月、高校1年生には「ひらがな」を教えてきました。 先日満を持して行ったのは、ランダムに表示されるひらがなを1文字ずつ読むテスト。10問中7問正解で合格という、かなりハードルを下げたテストでしたが、結果は28名中8名が不合格。

かわいそうですが、ここは日本語を学ぶ上で絶対に妥協できない最初の関門です。 まずはノートにひらがなを書き殴って覚えてもらい、その後は職員室での「かるた特訓」。 嬉しかったのは、先に合格した生徒たちが自発的に「ミニ先生」として特訓を手伝ってくれたことです。

最初は不安そうにこわばっていた不合格組の生徒たちも、わかる文字が増え、かるたが取れるようになるにつれて、みるみる笑顔になっていきました。 「わかる」が増えれば、勉強は楽しい。 ここで誰一人として脱落させたくない。だからこそ、今は彼らのためにいくらでも時間を投資しようと心に決めています。


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学年が上がれば、課題も変わります。 高校2年生は、大苦戦しながらも何度も再テストに挑み、「動詞のて形」を体に染み込ませています。 高校3年生は、創造力豊かな「オリジナル規則」の発表や、将来の来客を見据えた敬語のロールプレイテスト。丁寧な言葉遣いだけでなく、美しい身のこなしまで披露してくれる生徒もいて、いつ日本からのお客様が来ても大丈夫だと太鼓判を押せる仕上がりでした。

そんな怒涛の1ヶ月の締めくくりに、昨日、カンチャナブリで行われた「日本語キャンプ」に参加しました。20もの学校が集まる大きなイベントです。

会場の喧騒の中、私は前任校の生徒たちと予期せぬ再会を果たしました。 懐かしい顔、顔、顔。 「先生、会いたかった!」「また学校に戻ってきて!」「先生を返して!」 真っ直ぐな瞳でそう訴えかけてくる生徒たちの言葉に、胸が震えるほど嬉しく、そして同時に、どうしようもないもどかしさが込み上げました。

戻ってあげたいけれど、私の体はひとつしかありません。 自分の身がひとつしかないことを、これほど悔しいと思った日はありませんでした。

ハプニングに焦ったり、生徒の成長に感動したり、過去の教え子との絆に胸を熱くしたり。 そんな風に感情を揺さぶられながら、タイでの日々は驚くほどのスピードで、信じられないくらい充実した果実となって実っています。

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