「もう、何日動いていないだろう……」
43歳、働き盛り。それなのに、ここ三日間、僕は「死んだように」過ごしてしまった。 171cm、74kg。重くなった体を布団に預け、一日中スマホで漫画を読み漁る。 指先だけが動き、脳には情報が垂れ流される。 スマホは熱を持ち、僕の目は疲れ果て、心には焦燥感とストレスだけが積もっていく。
あんなに大好きだった「釣り」にすら、行く気力が湧かない。 太陽の光を浴びない生活が、これほどまでに心を削るとは思わなかった。
「一日でも習慣を休むと、人間はここまで動けなくなるのか」
そんな底なし沼から抜け出すために、僕がまずやったのは「外見」を変えることだった。 三日前、初めての美容室で髪を切った。 オーダーよりも少し短くなりすぎた気がしたが、目にかからない前髪は驚くほど視界をクリアにしてくれた。 鏡の中の自分は、意外にもすっきりしていて、それが小さな「変化の種」になった。
今日、僕はリハビリのつもりで室内での運動を試みた。 目標は10分。 だが、結果はたったの「2分」だった。 2分で体が止まり、情けなさがこみ上げる。
けれど、その2分があったからこそ、僕は**「目の前のノイズ」**に気づくことができた。
僕の机の上は、カオスだった。 食器棚がないわが家では、机の上に皿も包丁もまな板も出しっぱなし。 この視界の「ごちゃつき」が、僕の思考をストップさせていたのだ。
重い腰を上げ、簡易的な食器置き場を即席で作ってみた。 使わないものを箱にしまい、机の上を「平ら」にする。 ただそれだけのこと。 でも、物がなくなった机を見た瞬間、ふっと心が軽くなるのを感じた。
2分しか動けなかったのではない。 2分動いたからこそ、机を片付けるエネルギーが生まれたのだ。
エチオピアのアラビカ豆を挽き、ブラックで淹れる。 立ち上がる湯気と、スッキリした机の上の景色。 失った三日間を取り戻すには、これだけで十分な一歩だ。
もし、あなたも「どうしても動けない」と悩んでいるなら、まずは髪を切るか、机の上のものを一つだけ片付けてみてほしい。 完璧じゃなくていい。2分で止まってもいい。 その「小さな違和感」の解消が、止まった時計の針を動かしてくれるはずだから。
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